こうしす!シナリオ「営業課編」

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Ambox-content.svg この作品はフィクションです。登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものであり、実在の人物、場所、建物、製品とは一切関係ありません。

The story, all names, characters and incidents portrayed in this production are fictitious. No identification with actual persons, places, buildings and products is intended or should be inferred.

概要

テンプレート

追加登場人物

A(営業課員)
B(営業課員)
女。ドジっ子。
C(営業課員)

シナリオ本編


■追加登場人物


■S01: プロローグ
@営業課

B「ぎゃー」

:B(女)が床に転ぶ。

B「はわわわ」

:Bは、抜けたLANケーブルを手に持って慌てている。
:LANハブには丁度空きポートがあり、Bはケーブルを挿してしまう。


■S02: プロローグ

アカネ(ナレ)「私、イライラしています」

A「クレジットカード、もしよかったら契約してくださいよ。ご家族も是非。直ぐに解約して貰っても構いませんからー」


アカネ(ナレ)「そう、ここは、営業課。あの営業課です。何で私が営業課に?実は、社内広報誌の『取材』の一環として来ています。ほら、システム課って広報部の傘下にありますから、こんな仕事も振られるのです。まあ、『君たちが部署間の架け橋となるためには、コミュニケーションが大切だー』などと、まあ部長様様が言ってました。でも実情は……」

A「ねークレジットカード作って下さいよー」
アカネ「お断りします☆」

:背後で、Bの「ぎゃー」という声。※プロローグからここにつながる。


アカネ(ナレ)「突然ですが、問題です。当社、すなわち京姫鐵道の営業課の主な仕事は何でしょう。え?ツアー申込みの受付?それは子会社の仕事です。企画切符の販売?それは駅員の仕事です。顧客の呼び込み?そもそも鉄道って沿線に住んでいるから使うんですよね?では、宅地造成?残念☆それも子会社の仕事です」


C「クレジットカード作って下さいよー」
アカネ「お断りします☆」

アカネ(ナレ)「さて、そろそろ答えが分かりましたか?そうなんです、営業課のノルマとなっているのが、自社クレカの契約数。ですが、このカード、ゴミなんです」

:背景:左にカードの画像。右側に「✓鉄道他社ではご利用いただけません」「✓ポイント還元率0.01%」「✓割引制度はありません」と箇条書きする。

アカネ(ナレ)「国鉄や他の私鉄では使えないですし、ポイント還元率悪いですし、割引制度だってありません。それなのに、何故か一定数の契約者数がいるのです。あら、不思議☆」

:背景、営業課に戻る。


A「あのー、すみません。インターネットがつながらなくなったんですが」
B「あのー、パソコンが重いんですが」
C「困るんですよね、仕事中にこーいうの」(youtubeの画面を開いている)

アカネ(ナレ)「あれれー、なんか私のせいにされてます?」

アカネ「ちょっと見せて下さい」

:アカネ、プログラム→アクセサリ→システムツール→システムモニタ(Windows Meのタスクマネージャみたいなもの)を開く。確かにCPUが常時80パーセント近くほど使用されている。

:MS-DOSプロンプトでpingコマンドを実行しても、応答がない。

B「コンピューターウィルスですか?」
アカネ「可能性はありますね」
アカネ(ナレ)「だとすると、ちょっと不味いことになります。これを見て下さい。Meのパソコンです。化石の存在を放置していた、と責任を問われるのはシステム課でしょう。顧客情報の流出でもあったなら、もう。ここは、速やかに、隠p、ではなく、解決しなければなりません」

:アカネ、システム課に電話を掛けようとする。

電話『ツー・ツー・ツー』
アカネ「おや、内線電話にまで不具合が……」

:アカネ、携帯でシステム課に連絡する。
アカネ「あ、課長。至急、営業課のネットワークを隔離して下さい。ウィルスに感染している可能性があるので」

:アカネ、携帯電話を切る。
:アカネ、内線電話機を見つめる。

アカネ(ナレ)「妙です」

B「電話までウィルスにやられちゃったんですかあ?」
アカネ「いいえ、その可能性は低いです。確かに内線電話はIP化されてますし、LANに繋がっているので感染しないとは言い切れません。でも、パソコンと同時に感染するというのはいくら何でもできすぎています」
B「じゃ、じゃあ、ハッキングされたとか?」
アカネ「何のために?顧客情報を盗むなら目立たないようにするのが普通です。悪戯目的なら、クレジットカードの勧誘しかやってない部署なんて狙いませんし」
B「ぐ」
アカネ(ナレ)「おっと口を滑らせてしまいました☆」
B「じゃあ、幽霊……」
アカネ「話になりませんね」

:アカネ、LANハブを覗き込む。

アカネ「お!」

:LANハブは、ほぼ全ポートのLEDが高速点滅している。

アカネ「なんとまあ。たぶん、ブロードキャストストームです。原因は、ウィルスじゃなくて、きっとL2ループですね」
B「な、なんですか、それは?ぶろーどうぇい?」
アカネ「ブロードキャストストーム。ブロードキャストは普段は大人しいのですが、LANケーブルの接続を間違えたら豹変する魔物なんです。ループで無限増殖し、通信回線の帯域を食い荒らして大暴れする、とっても怖い魔物です。その暴走状態をブロードキャストの嵐、ブロードキャストストームと呼ぶのです」

:イメージ図を出す。『※これはイメージです』という但し書き付き。

B「え」

:B、自分がLANケーブルをハブに接続したことを思い出す。
:B、ガクガクブルブル。
:Bの様子に気付いた、アカネ。満面の笑みを浮かべて。

アカネ「何か、思い当たること、ありませんか?」
B「……ごめんなさいぃぃ」

:アカネがLANケーブルを抜く(静止画)

アカネ(ナレ)「こうして、営業課に平和が戻ったのです」


■S03:

アカネ「今後は、LANケーブルを繋ぐときはちゃんとマニュアルにしたがって下さい」
B「すみませんでした」
アカネ「分かったなら良いです。私は上司に色々報告しないといけないので今日は失礼します」
B「あ、あの。今日は本当にありがとうございました。これ、つまらないものですが、お礼です」
:B、アカネに封筒を手渡す。

アカネ「え……」
アカネ(ナレ)「お、お礼を言われると、少し照れくさいですね。ま、終わりよければすべてよし、です」

■ED


■S04:

@システム課

:アカネ、封筒を開ける。中に入っていたのはクレジットカード申込書だった。
:アカネ、呆れた顔を浮かべる。

アカネ「本当につまらないものでした」

解説コーナー

@スタジオ
:SD宏佳とSD少佐。

宏佳「今日は、ブロードキャストストームについて解説します。少佐君、説明できるかしら?」
少佐「はい、もちろんですよ」

@少佐の妄想

:SE:ドゴーン
:SE:警告音

艦長「少佐、報告!」
少佐「ブロードキャストストームのようです。第3デッキ外壁に小規模な損傷」

@スタジオ

宏佳「それ、イオンストームじゃない?」
少佐「よくご存じで」
宏佳「あなたにスタートレックのDVD何個見せられたと思ってるのよ」
少佐「アッハーン」

:二人の間からSD結菜がIN

結菜「それで、ブロードキャストストームって何なんですか?」
宏佳「まず、ブロードキャストから説明するわね。一言で言えば、一対多の通信のこと。日本語では、同報通信とも呼ぶわ。LAN内のすべてのパソコンやネットワーク機器に対して同じデータを送りたいというときに使うものなの。例えば、今LANに接続しているパソコンを知りたいときに、『宛先:全員 みんな、私に返事して!』という風に、パソコンすべてに呼びかける、という通信に利用されているの」

:図解: ネットワーク図

結菜「別に魔物でも何でもないですね」
少佐「Windowsのファイル共有なんかは、ブロードキャストで相手を探すから、使えないと困るんだ。ハハッ」

宏佳「このブロードキャストを実現するためのキーになるのが、スイッチングハブなの。スイッチングハブは、ブロードキャスト、つまり宛先が『全員』となっている通信を受け取ると、見境なくすべてのポートから再送信する。こうして、データがすべてのパソコンに伝わってゆくというわけ」

:図解: 通常のブロードキャスト通信受信時のハブの動作(ツリー状)

結菜「ほうほう」
宏佳「では、もしここで、こうして、ループが出来てしまうと……どうなるでしょう」

:図解: ネットワークにループを作った図

結菜「ショート?」
宏佳「さすがにショートはしないわ。正解はこれ」

:図解: LANハブにループを作った場合の動作

結菜「あれ、通信がぐるぐる回ってる!」
少佐「恐らく、時空連続体のひずみでしょう」
宏佳「時空のひずみなんかじゃなくて、単純な話よ。スイッチングハブは、ブロードキャストを受け取ったとき、すべてのポートで再送信するってさっき説明したわよね。でも、ループがあると、自分が再送信したブロードキャストを自分自身で受け取ってしまい、それをまた再送信してしまう。そしてまた受け取り、再送信。こうして、無限ループに陥るわけ」
結菜「そ、そんなことが」
宏佳「そして、処理能力を超えた量のブロードキャストの嵐が発生し、パソコンが重くなったり、通信が繋がらなくなったり、最悪の場合、故障が発生するというわけ」
結菜「おー、なるほどー!でも、そんなの防ぎようがないですよ」
宏佳「そうね。だから、抜けているLANケーブルを迂闊に挿さないように気を付けるしかないわね。実は、レイヤ2インテリジェントスイッチと呼ばれる、業務用のもっと高級なスイッチングハブならブロードキャストストームへの対策機能がついてる場合もあるんだけど、購入には予算が……ね」

少佐「それでは、リピート・アフター・ミー。『(何か上手いことを言う)』